虹色の毎日を求めた猫の物語

平凡な日常時々FX

2018.04.17 『WAIS-Ⅲ 成人知能検査』を受けた話。

こんばんは。今回は2月末に受けた『WAIS-Ⅲ』の話をしてみようと思います。

 

 

WAIS-III、聞いたことはありますか?

 

 

16歳以上の方向けに作られた発達検査の一種です。

 

 

読み方は「ウェイス・スリー」、2018年3月、つまり先月ですね、に改訂版のWAIS-Ⅳが出ました。

 

 

この検査は医師の指示が無いと受けられないそうです。僕は先日、精神科でこの検査を受けてきました。

 

 

 

そうです、察しの良い方はわかったかもしれません。僕は医師に発達障害の可能性がある」と診察で判断され、検査を受けることを決めたのです。

 

 

この検査をやる前に簡易検査を行ったのですが、傾向としては見事に発達障害枠でした。可能性があるで留めておくより、詳しい検査でほぼ確定という形にした方が目に見えて不安が軽減されると思い、検査を受けました。

 

WAIS-IIIとはなんぞや? という話の前に、僕が精神科を受診したいきさつについて簡単にまとめてみます。

 

 

 

僕はもともと、環境の変化がとても苦手でした。

 

 

中学入学から1か月ほど経ったころ、毎朝の吐き気と微熱、そして涙を流し学校に行きたくないと全身が訴えてくる状態が続きました。その時は母が半ば無理やり家から追い出していたので不登校になることはありませんでしたが、あそこで折れていたらもう学校には通えていなかったでしょう。

(誤解を招きそうなので言っておきますが、母が家から追い出したことは僕にとってマイナスではありませんでした。学校にたどり着いてさえしまえば何も憂鬱なことはなく、楽しく過ごすことはできていました)

 

 

高校時は新しい友人はほとんどできず、中学からの友人ばかりとすごしていたからかあまり憂鬱になることはありませんでした。その中学の友人たちと同じクラスになることは一切なかったため常に暗い気持ちではありましたが、感情の波が少ない分楽ではありました。

 

 

そして大学に入り、ここで僕のハンディが突然大きな壁となってたちはだかってきたのです。と言っても、発達障害の可能性があることを知って初めてハンディだったのかもしれないと思うようになったのですが。

 

 

大学入学当初はやはり環境の変化についていけず月に1回は熱を出す生活をしていましたが、そんなことは大した問題ではなかったのです。

 

 

僕が進学したのは国立大学です。私立や専門学校のことは友人の状況を見ることでしか知ることができないので推測にすぎませんが、国公立大学は私立や専門学校に比べ『課題』というものが少ない印象です。少なくとも僕の学部学科では、毎週の課題は少なく学期末のレポートや試験が評価基準になることがほとんどでした。

 

 

大学がわからない人は、小中高と続いた「ワーク」や「ドリル」がほとんどの科目でなくなると思ってください。勉強方法は、自習と過去問がほとんど全てです。(僕の専攻で回っていた過去問には答えがついていないものが多く、答えは自力で教科書や授業プリントから探し出す必要がありました)

 

 

この「ワーク」や「ドリル」が消えたことが、僕にとって大きな壁となりました。

『自習』と言われたら、やり方はいろいろ思いつきますよね?

教科書を読む、ノートをまとめ直す、過去問を解くなど、自分で時間を見つけてコツコツやれば良い話です。

 

 

しかし僕には、それができませんでした。

 

 

なぜできないのか、僕はずっと「自習と言われて何をやったらいいのかわからない」と思っていました。上記のように書き連ねることはできるので、思いつかないというわけではないんです。でも、何をやったらいいかわからない。

 

 

どうしてだろうとしっかり向き合って考えてみた結果、「どの内容の何に手を付けたら良いのか決められない」という結論に落ち着きました。

 

 

苦手な分野、大切だと言われたところをやればいいじゃないか。そう思いますよね?

僕もそう思います。でも、できないんです。どれかひとつを選ぶこと、やる順番ややる量に優劣をつけることができない。結果的に、何もできないまま時間だけが過ぎていってしまいます。

 

 

じゃあ初めから順番にコツコツやれば良いんじゃないの?

その通りです。毎日コツコツやれれば良い話です。でも、これもできない。

 

 

発達障害の特徴のひとつに「一度没頭してしまうと周りが見えなくなる」というものがあります。もちろんすべての人がそうだというわけではありませんが。

「○時になったら勉強を始めよう」と思って他事をやり始めたら最後、ふと気づいたらお風呂にも入っていないのに寝る時間なんてこともザラにあります。(これに関しては思い立った時にペンを握れない自分の甘さもあるのですが……)

 

 

僕の一日のサイクルの中に自習時間はありません。変化を極端に嫌う僕には、サイクルを変えることは不可能でした。

 

 

結果的に僕は大学の講義についていけなくなり、専門科目では再試を重ね、ついには大学へ行けなくなりました。今度は中学のように強制的に家から追い出されることはなく、そのまま半年不登校を続けて来年度は休学します。おそらくこのまま退学することになるでしょう。

 

 

 

ところで話は変わりますが、国立に入ることができたということは、僕は高校まで『お勉強』ができる子でした。「課題」というものは「やらなくてはならないもの」とインプットされているため、自称進学校の膨大な課題をすべてこなしていました。課題の反復運動が功を奏して、自習をせずとも習ったことは覚えられたのです。まあ、興味のなかった社会科に関しては赤点常習者でしたが……

赤点常習の科目がある一方で生物は1位を何度も取っていたのも、今思えば興味の差が激しい発達障害の特徴のひとつだったのかもしれませんね。

 

 

話を戻しましょう。僕は不登校になった後、ずっと続けているバイトとの掛け持ちでバーでのアルバイトをはじめました。バーテンダーになりたい気持ちは中学からのものでした。

しかしここで、精神科に行く決心をする出来事が起こってしまったのです。

 

 

僕が応募したところは、席数が50席もあるバーの中では大規模なお店でした。規模が大きいということは、オーダーがかさみます。

お客様からオーダーをいただいてキッチンに持って行く途中で、「これ流しに持って行って」と鉄板を渡された時、僕は停止しました。比喩表現ではなく、頭も体も停止したのです。

 

 

『キッチンにオーダーを通す』という作業の間に突然挟まれた『鉄板を持って行く』という作業、「鉄板を持ったままオーダーを通して、その後鉄板を置けばいいんじゃないの?」と思いませんか?

 

 

僕にはそれができませんでした。どちらを先にやれば良いのか判断できなかったのです。

最終的にどうにか両方やることはできましたが、一瞬の停止が大きなわだかまりとなって頭に残りました。

 

 

その失敗がいつまでも残っていたそんな矢先に、友人がバイト先にいる発達障害者の話を僕の前でしはじめました。詳しくは割愛しますが、どれもこれも、身に覚えがあることでした。

 

 

学校にも行けずバイトもできず気分がどん底まで落ち込んでいた僕は、近いうちにうつ病を疑って精神科に行こうとは思っていました。そこに飛び込んできた発達障害。どちらも精神科が専門となれば、早く行って楽になりたいと思うのは当然のことでした。

 

 

精神科に電話をしたのが昨年12月の上旬、初診を下旬に受けることになりました。

 

 

受付で問診票を書き、診察室へ。困っていることには「気分が落ち込んですぐ泣いてしまう」、時期には「環境が変わると悪くなってしばらくする少し良くなる」などと書いたように思います。

「家族の中に精神科にかかったことがある人は?」「友達は多い方?」と、たぶん4つくらい質問をされただけだったと思います。

 

 

発達障害の可能性あるねぇ」

 

 

えっ、そこにたどり着くの早くない? そう思わざるを得ませんでした。

話すときの視線の動きや手の動きが普通の人と違っているのはなんとなく自覚があったので、そういうところも見られていたのかもしれないですが。

 

 

簡易検査の結果は陽性。3月くらいまで待てばうちで詳しい検査受けられるけどという言葉に「受けたいです」と即座に返事をしました。ちゃんとわかるなら詳しく数値や文面で見たいと思ったのです。

 

 

そうして予約を取ってもらい、2月24日、検査を受けに行きました。

 

 

検査室に入り、心理士のお姉さんと挨拶。机の上にあったのがWAIS-IIIでした。

 

 

 

では、ようやく本題です。WAIS-IIIとはなんぞや? という話です。

 日本文化科学社のHP↓

www.nichibun.co.jp

ここにある説明には、以下のように書かれています。(以下引用)

成人用のウェクスラー知能検査WAISの改訂第3版です。WAIS-IIIでは、新しく「群指数」という側面からの把握や解釈が可能になりました。また、提示用の図版の大型・カラー化や時代に合わなくなった問題内容の修正など種々の改良が加えられています。

 

高齢化社会に対応するため、適応年齢が16歳~89歳と大幅に拡大されました。

・言語性IQ(VIQ)、動作性IQ(PIQ)、全検査IQ(FIQ)の3つのIQに加え、「言語理解(VC)」、「知覚統合(PO)」、「作動記憶(WM)」、「処理速度(PS)」の4つの群指数も測定でき、一層多面的な把握や解釈が可能です。

・IQや群指数のプロフィール、下位検査の評価点プロフィールの表示に加え、ディスクレパンシー分析、下位検査レベルでのSとWの判定、「符号」と「数唱」の精査も記録用紙上で行うことができます。

・14の下位検査から構成されますが、IQか、群指数か、その両方かなどの測定したい目的に応じて実施する下位検査を選択できます。

・検査に取り組みやすいよう動作性下位検査から開始し、飽きさせないよう動作性下位検査と言語性下位検査を交互に実施するよう配慮されています。

 

難しいですね。大別して3つのIQを調べられて、さらに細かく分野を分けることで得意不得意を色んな面から調べられるということだけわかっていれば、検査を受ける側は何の問題も無いんじゃないでしょうか。

 

 

僕は何も調べずに行きました。問題を事前に知ってしまうと検査結果に支障が出る恐れがあるため詳しいことは言えませんが、足りないもの探しをしたり、積み木を並べたり、暗算をしたり、単語の意味を答えたりしました。

すごく早くほぼ全部やれるものもあれば、どれだけ考えても半分くらいしか解けないものもあって、分野によって差があることが結果を見る前からなんとなくわかって面白かったです。

 

 

この検査はIQを調べることだけが目的というわけではないそうです。事前に困っているを聞いて、IQと照らして対処策や改善法を考えることに役立てると心理士さんはおっしゃっていました。

考えてみればその通りですよね。IQがわかったところで困りごとが解決するわけじゃない。大切なのは、何が不得意なのか理解して補う方法を考えることです。

 

 

結果が出るのには2週間程度かかりました。結果が出る前、「発達障害っぽい特徴言ってるねぇ」と先生に言われました。どの発言がそうなのかわかりませんが、今までの先生の言葉と簡易検査から可能性は濃厚そうでした。

 

 

 

そして待つこと2週間、結果を聞きに再び病院へ行きました。

 

 

 

結果から言えば、知能面では問題がないとの判定。

 

 

数値としては、言語性IQが107、動作性IQは106。言語理解108、知覚統合109、作動記憶116、処理速度115……だったと思います。結果の紙をいただけたわけではなかったので、急いで記憶したものなので定かではないのですが。言語理解、知覚統合は「平均」で、作動記憶、処理速度は「平均より少し高い」と書かれていました。

 

 

トータルで見るとそこまで差が大きいというわけではなく、真ん中より少し高いといった感じでしょうか。90~110が人数としては一番多く、下も上も離れるにつれて人数が減っていくといった感じです。

 

 

 

この検査はIQだけではなく各項目で点数のようなものが出ます。0点から19点まであり、9点~12点が平均とのことです。

 

 

私はほとんどが11点~13点の間だったのですが、『算数』が17点、『理解』が9点とその二点を見た時だけとんでもなく山と谷がありました。特に算数は紙が出された瞬間にわかるほどの飛び出具合でした。理解の項目についてはその前後も低めだったので目立ってはいなかったですが。

 

 

算数は臨床心理士の先生が口頭で言った算数問題を計算する項目で、理解は……なんだったのでしょう。思い出せないあたり、理解の項目がそもそも理解できていなかったような気がしますね。

 

 

 

私が日常において苦しいと感じるのは、この『理解』の項目の低さにあるような気がします。作動能力はあるにもかかわらずそもそもの行動原理ややり方が理解できないから結果的に行動できない。『何もできない』と感じるのはそのせいでしょうか。

 

 

こういったことを考える材料のひとつとして、とても有意義な検査でした。

 

 

 

臨床心理士の先生から結果を聞いた後、精神科の先生の診察を受けました。私は精神科の先生の方には何も言わなかったのですが、私の顔を見て「最近あんまり調子良くないよねぇ」「顔色あんまり良くないねぇ」とおっしゃいました。『最近』という言葉が使えるほど付き合いは長くないのに言い当ててしまう先生、すごいですよね。

 

 

実際、最近というかここ1か月くらい新しいバイトを始めたせいであまり精神状態が良くなく、さらに検査結果を聞きに両親が病院についてきていたので相当調子は悪かったのです。何が楽しくて両親に挟まれて普段困っていることを言わなければならないのか。過保護すぎるそれが何よりのストレスだとは言えない。

 

 

躁鬱の軽いのまでいかないくらいの感じだと思うんだよね~と、不眠に効く漢方(ツムラの54番)と元々は統合失調症の患者向けに作られた薬(エビリファイ)を1㎎処方していただきました。1日の最大量が30㎎とのことなのでかなり少ないのですが、それでも副作用で眠くて眠くて……慣れると言っていたので、しばらくの我慢ですかね。

 

 

ちなみに現在はエビリファイを3mg処方されています。まだ薬が安定しないので、早く安定すると良いのですが。

 

 

先生曰く、感情の起伏が激しい気質だと思うとのことです。発達障害でもうつ病でもないのにこんなにも感情に波があったら堪らないですね。これからも先生と色々話して、解決法を探っていきたいと思います。

 

 

 

発達障害は、理解されにくい障害のひとつです。明らかに知能に障害があるわけじゃないのに生活が上手くできない人はたくさんいます。「変わり者」と呼ばれる人たちの中には、皆ができることができなくて困っている人もいると思います。

 

 

不得意なことがあるなら誰かが補ってあげれば良い。代わりに得意なことをたくさん任せれば良い。できないことを無理にやるよりできることをたくさん任された方が、僕は存在価値を感じられて嬉しいです。

 

 

もちろん、何度言ってもできないからって「私がやるからもういい、そっちやってて」みたいな突き放したような言い方は辛いです。障害者にだって感情はあります。

 

 

発達障害のカミングアウトは怖いものです。だって差別されるから。それでも表明する人たちがいる意味を考えてみてくださいね。

 

 

真面目な話を長く書いてしまいました。発達障害のこと、検査のこと、少しはわかっていただけると嬉しいです。

 

 

僕は結局発達障害だと診断された訳では無いのですが、まだ怪しいと思っています。先日からカウンセリングを受けているので、聞いてみるつもりです。

 

 

それでは今日はこのあたりで。

 

 

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